囲っておきたいことなど分かってる
でも囲われるほど自分はそんな単純ではない



 鳥 籠 の 外 か ら



女の子にモテるのを知っている
教室でも廊下でも屋上でも告白されているのを見たことがある
結局自分も同じように見ているのではないか
そう思ってしまったらそうとしか考えられなくなった
元々一緒の高校に行こうとは考えていなかったが
もっと強く別の高校に進まなくてはいけないと感じた

屋上で捕まえられたあの日
彼は怒っていた
自分を追いつめようとしていた
だけどそれをさせない
卒業式まで登校日は数日しかない
それだけあれば逃げ切れる自信があった



久々に見た彼は
変わっていなくて変わっていた
だってほら苛ついている

だけど僕は
囲われるほど弱くはない