「みぃつけた」
h i d e & s e e k
黄瀬は後ろから抱きつこうとしたが、しっかり逃げられてそのまま床に激突しそうになった。
「ひどいっすよ〜」
黄瀬はそのまま床に座り、立ったままの黒子を手招きした。
黒子はしばらくそれをじっと見て、それから黄瀬と距離を置きつつもその隣に腰掛けた。
その微妙な距離がもどかしかったが、それをあえて言わなかった。
「突然抱きつこうとするのがいけないんです」
「冷たいなー…」
「それにずっと此処に居たんで見つけたも何もないです」
「それは違うなー。だって誰も此処に黒子っちが居たことに気付いてない」
「…」
「でもオレは見つけられる」
その距離を埋めるように黒子の手を握ると
黒子はわざとらしいくらいの深い溜息をついた。
「…本当何なんですか」
そっと握り返された手。
だったらどうして握り返してくれたんだろうか。