好 き だ か ら 気 に な る ん だ



黄瀬の視線を感じる。
何か用があるのかと思って、其方を見れば
黄瀬は慌てて目を逸らしてしまい視線を合わせようとしない。
それだけで終わったなら気にしないのだが
それからもしつこく視線を感じる。
その度に同じことを繰り返しているため
黒子は深い溜息をついた。



練習試合が始まり
黒子はコートの端で試合を見ていた。
同じく黄瀬も黒子の横で試合を見ているはずなのだが
相変わらず視線を感じるのだ。


「…さっきから何なんですか」
喋っているとバレたら困るので
小声で黄瀬に話しかけると
ビクリと身体を震わし、黒子を見た。
「…あ、いや…なんでもないっス」
同じく黄瀬も小声で返してきたが
その返答に黒子はますます不信感を抱き
睨むように黄瀬を見ると
黄瀬は深い溜息をついた。
溜息をつきたいのは此方だということを分かっていないのだろうか。
「…えーっと…ずっと気になったんスけど…」
「なんです」
「…もしかしてふとっ…グホッ!」


「すいません。急に黄瀬くんが倒れたんですけど!」
「おい、黄瀬は何やってるんだ!…手の空いてる奴、黄瀬を保健室連れていけ」
「はい!」









「…ボク太ってます?」
「はぁ?どこが」

見た目じゃ気付かないはずなのに何故気付いたのだろうか
― それは愛だから?