とても珍しいことに今年の新入部員のなかに、中学2年生が居た。
途中から入部してきたとしても、バスケ部に入る人は誰ひとりいない。
それはこの学校がバスケの強豪であることも理由の1つである。


黒子はその同級生のことを知っていた。
何故なら彼とは今年クラスが一緒になり、席も近いからだ。

(だけど彼はボクのことなど知らない)
彼は物理的に近くに居るだけなのだから。
そんなことを考えていた所為で
近くに同学年の部員が居ることに気付かなかった。

「…おい、黒子。どうした」
「あ、いえ」
「そいえば、オレらとタメが入部したらしいな」
「そうですね」


黒子は、新入部員の練習を見たままだった。


「…そいつの名前なんつった?」
「…せ」
「ん?」











「黄瀬、涼太くんです」







中学
2年の春のことでした