「あ、いたいた!」
よく通る声が教室を響き渡らせる。
手元が暗くなり顔を上げるとそこには黄瀬が居た。

「何ですか」
「お昼一緒にどうスか?」
「一緒に食べたがってる人がたくさん居ますけど」
「オレは黒子と一緒に食べたいんスよ」
ほら、と腕をつかまれ
ずるずると連れてこられたのは隣のクラス。
そこには、緑間や青峰を始めレギュラー陣が揃っていた。
「連れてきたっス!」
「お前意外とやるなァ」
キャプテンは、笑って黄瀬の背中をパンっと叩いた。
黄瀬は、痛いっスと声をあげている。
黒子はそんな様子をどこか遠くのように見ていた。

「…黒子?」
緑間は心配そうに声をかけてきた。
「あ、ああ…すいません」
「大丈夫なのか?」
「何がですか?」
「…別に何でもないのだよ」

黄瀬の騒ぐ声を聞きながら
黒子はレギュラーのみんなが
気を遣ってくれているのだろう。
だけどどうしようもないのだ。

この気持ちだけは。








どうか
このままで