「黄瀬、どうした」
勝ったというのに、立ちつくしたままの黄瀬に緑間は声を掛けた。
緑間の声に、黄瀬はビクリを肩を震わし
それからその姿を確認するとホっとしたように力を抜いた。

「緑間っちか〜」
「失礼なのだよ」
「そういう訳じゃないっス!他の人たちだと怖いじゃないっスか!」
「…それよりどうした。戻るぞ」
「うっす」
緑間の後をとぼとぼをついていく黄瀬からは
勝ったということは全く伝わってこない。
どこか黄瀬はおかくし
緑間はどうしようかと考えていると、黄瀬から声を掛けられた。
「緑間っち」
「なんだ」
「……黒子って、あんなに凄かったんスか…」
「今更なのだよ」
「あ…」
黄瀬は言葉を続けようとしたが
顧問の叫ぶ声に、続けることが出来なかった。


着替えを済ませ、軽いミーティングをした後、解散となった。
黄瀬は黒子をさがすと、既に黒子は青峰と一緒に歩き出しているところだった。
何となく話しかけにくく、黄瀬は諦めて家路についた。




「お疲れ、テツ」
「お疲れ様です。コンビニ寄っていきます?」
「今日はやめとくわ」
「そうですか」
「寂しいのか?」
にやりと青峰が笑い、黒子はムっと青峰を見た。
「違います」
「テツのそういうところが好きだぜ」
「青峰くんのそういうところが嫌いです」








動き出し
 すれ違う