か に 座 月 間
目 指 す は 7 緑 間

Seven Green
* 緑間と黄瀬と黒子
* 緑間と帝光キャプテンと黒子
* 緑間と高尾
* 緑間と黒子(↑の続き)
* 緑間と高尾2(↑の続き)
* 緑間と黄瀬
* 緑間と黒子
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* 緑間と黄瀬と黒子
コンビニに立ち寄った緑間と黄瀬は
何やら緑間が不機嫌な感じでコンビニから出てきた。
黒子は、コンビニに寄る前に立ち寄ったマジバーガーで
既にバニラシェイクを買っていたので
コンビニには一緒に入っていかなかったのだが
きっとその時緑間が勝手に不機嫌になったのだろうと推測した。

「何故しるこがないのだ」
「まあまあ」
黒子の耳にしるこという言葉が聞こえて
聞き間違いか…?と疑った。
「黒子っち〜。聞いてくださいよ。緑間っち、しるこが飲みたいとか言いだしたんスよ!」
黄瀬の言葉に、やはり聞き間違いではなかったことに
溜息しか出てこなかった。
「…今、夏ですよね?」
「夏だから飲みたいのだよ」
「馬鹿ですか」
「お前はだからダメなのだよ」
「……………」
黒子も黄瀬もこの時、それはお前だと言いたかったが
2人はぐぐぐっとその言葉を飲み込んだ。
(7/18)








 

* 緑間と帝光キャプテンと黒子
「緑間から聞いたぞ」
「…本当に緑間くんから何でも聞いてるんですね」

「キャプテンから聞いたのだよ」
「…2人って仲良いんですか?」


何故か、緑間とキャプテンは通じ合っている。
2人が仲良いようには見えず、その関係性も何だか不明であった。
だから、ふとした時に黒子は緑間に尋ねた。
「…何で、緑間くんもキャプテンもそんなに知ってるんですか」
「KMCなのだよ」
「…け…KMC?」
緑間はそれだけ言ってどこかに行ってしまった。
黒子にはKMCが何なのか理解出来ず、余計に謎が深まるばかりであった。
(7/18)
K:黒子を M:見守る C:クラブ (または黒子緑間キャプテン/笑)








 

* 緑間と高尾
高尾がきっと勘違いをしていることには薄々気付いていた。
だけれど、それを言い出せなかったのは
ただ逃げていただけだった。
「今日来てたな」
「知ってたのか」
「校舎の窓から、見えた」
ぽつりぽつり。
その歩調はいつもより早いのに
言葉はゆっくりとしか出てこない。
「じゃあな」
いつもの十字路。
高尾は軽く手を挙げるとそのまま行ってしまった。
段々と小さくなる背中をみて
追いかけてその腕を掴んでいた。
「なに」
振り向かない。
悲しいけど反面ホっとしていた。
顔を見て言うことなんてできない。
「オレはお前を黒子のかわりだと思ったことは一度もない」
「はぁ?」
「勘違いしてるのだよ」
「嘘だ」
「好きだ」
その瞬間、高尾がぐるりと顔を此方に向けた。
悲しそうな嬉しそうな怒っているようななんとも複雑な顔をしていた。
「…おまえ、バカだ」
(7/19)








 

* 緑間と黒子
黒子が、居た。

「お久しぶりです、緑間くん」
「どうしたのだね」
「今日、誕生日じゃないですか。直接言いたくて来ました」
「あぁ…そういえば今日だったな」
「おめでとうございます。…コレ、ボクと黄瀬くんから」
「マメだな」
「あと…」
そう言って黒子は、少し躊躇したがそれから直ぐに口を開いた。
「…高尾くんは、勘違いしてるとおもいます」
突然黒子は今この場に居ない高尾について言い放った。
そして緑間は、何のことを言っているのかすぐに分かった。
「知っているのだよ」
「だからこそ、ボクは緑間くんに伝えなきゃいけないと思いました」
「オレはお前のそういう所が好きではない」
「それも、知ってます」
「…黄瀬は、元気か」
「変わらずですよ。…こんなことを言うのも何ですが、ボクは緑間くんに幸せになって欲しい」
「…だから、オレはお前のそういう所が好きではないのだよ」
(7/19)








 

* 緑間と高尾2
「…バカとは心外なのだよ。ついでに言えば、今日はオレの誕生日なのだよ」
「はぁ?もっとバカだ。なんでもっと早く言わないんだよ」
「高尾」
「な…なんだよ」
「返事は」

振り解こうと思えば、出来た腕。
逃げようと思えば、いくらでも走って逃げられた。
これは期待しても良いということなのだろう?
顔を覗き込むと、嫌そうな顔をしてこちらを見ていた。
「…好き」

聞こえるか聞こえないかの声だったけれども
その二文字は、しっかりと緑間の耳に届いていた。
こんな素晴らしい誕生日はない、と緑間は感じた。
(7/19)








 

* 緑間と黄瀬
キスをされた。
(誰に)
目の前に居る、黄瀬に。

「…な…なんのつもりだ」
予想外にも声が震えていた。
あまりにも突然すぎて思考がついていかなかった。
声が震えているのは、黄瀬が怖いからなのか
それとも何か別の理由があるのかも分からなかった。
「なんのつもりだって…今日誕生日じゃないスか」
サッパリと答えたことに緑間は余計に混乱した。
「誕生日に嫌がらせか」
だから、そんな言葉が知らぬ間に口から出てきていた。
言ってから失敗したと気付いてももう遅い。
黄瀬はすぐに、不機嫌そうな雰囲気になっていた。
「…それこそ、緑間っちは酷いっスね」
「何を言っているのだね」
「何も分かってないっスよ」

黄瀬はそう言い捨てると、そのまま緑間に背中を向けて行ってしまった。
その背中がやっと見えなくなったとき、緑間はその場にしゃがみこんだ。
「…分かってないのはお前の方だろうが」
その声は届かない。
その声は通じない。
(7/20)








 

* 緑間と黒子
「おめでとうございます」
そんな言葉と一緒に、ちゅっと可愛らしいキスを頬にしてくれた。
「ありがとう」
オレと黒子は、付き合っていない。
ただ同じ部活に入部してから
端から見れば勘違いされそうなこの距離で居た。
近すぎず、だけど遠すぎない関係。
これが黒子との一番理想的な距離だった。
そして、黒子も同じだった。

黒子に恋愛感情として見たことが一度もないのか、と問われれば
それはNOである。
だけど、しばらくして違うと気付いた。
彼を恋愛対象として見ることは出来ないのだと。
それをある時、黒子に伝えたら
笑いながら「ボクも同じですよ」と言っていた。

「もうすぐ夏ですね」
「そうだな」
「…夏が過ぎても、ボクのこと忘れないでくださいね」
「当たり前だろう」
(7/20)