こ の 腕 い っ ぱ い の
高 校 1 年 生









「…今更だけど…2年前の約束、果たしにきました」



彼―黄瀬涼太は、手を振って黒子を迎えた。
ここは、黒子の通う高校の 校門である。
「…何で、ここに居るんですか」
「会いたかったから」
「え?」
「ハッピーバースデー トゥ 黒子っちー!…色々あったけど、それでも、 忘れてなかったっスよ」
「…そんな、急に言われても…」
「急じゃないっスよ。黒子っちは忘れてしまったかもしれないっスけど、 2年前の今日、約束したんス。
…1年前の約束は守れなかったっスけどね」
黄瀬は、苦笑しながら言った。
「…忘れてなんかいないです!」
そんな表情をされて言われて、何故か黒子はムっとしていつもより強めの 声で主張した。
それに、驚いたのが黄瀬である。
「…え?」
「忘れるはずがない…!黄瀬くんこそ、なんで覚えてて…」
「…好きな人との約束を忘れるはずがないっスよ」
「何ですか、それ」
黄瀬がそっと、黒子の目を拭った。
その時、初めて黒子は自分が涙を流していることに気付いた。




「黒子っち、好きです」