3 / 1 1
10Qから妄想と繋がってます




式が始まる前に時間を作って欲しいと言ってきたのは黒子だった。
緑間を含めメンバー全員がバスケ強豪校に進学するなか
黒子だけは無名の新設校へと進学を決めた。
それは誰もが納得出来ず
またその理由を尋ねても黒子は何も言わなかった。
緑間もまた苛ついていた。
自身の言葉に耳を傾けず、また何も言おうとしない。




待ち合わせに指定されていた場所に行くと黒子は既にそこに居て
緑間の姿を確認するとぺこりとおじきをした。

「こんな所に呼び出して何かね」
「…お別れを伝えに」
「学校のことか?それはお前が誰の言葉も受け入れなかったのだろう」
緑間がそういうと、黒子は緑間の目をしっかりと見つめた。
「それもですが…ボクはこのメンバーと一緒に居られて
一緒にバスケが出来ることはボクにとって幸せでした」
「それならば―」
黒子は緑間の言葉に首を振って、言葉を続けた。


「それでも…きっとボク達このまま一緒に居たら駄目なんです」




それだけで納得がいくわけではないが
それでも黒子が本気で考えていたことだけは確かだった。
緑間はそんな黒子を見て溜息をついた。
きっと違う方法もあっただろうに
自分は何も見えていなかったばかりに
黒子に辛い決断を下させた。



(だから、最後くらいは格好つけさせてくれ)



「…知ってたかね。A型とB型の相性は最悪なのだよ」
「血液型占い…ですか」
「黒子。この節目に最後にしよう」
「…緑間くん」







「さよなら、だ」



そ の 言 葉 は 思 っ て い た よ り も 重 く の し 掛 か る